2014_05
16
(Fri)21:09

真逆なセカイ~後日編・その1~

Category: 日記
この話の内容について詳しいことは「真逆なセカイ~前置き・登場人物紹介~」をご覧ください

元の姿に戻り、最初の授業が終わった後の休み時間。明美は哲と会っていた。
「哲くん、昨日の夜は有り難う、大丈夫だったかな」
明美は礼の言葉を口にし、彼に質問した。
「ええ、天ノ川先生には見つからずに済みました。明美先輩は藍川先生に何か言われたりしませんでしたか?」
「心配いらないわ」
明美は言った。
輝宮から聞いた話だと藍川は昨晩のことを注意しなかったという。
普段の行いが良いのが救いだ。
「良かった……」
哲は安心しきった様子だっ。
「ところで、お体の具合はもう大丈夫なんですか?」
思い出したように哲が訊ねてきた。
輝宮と共有していない情報を出され、明美は困惑した。
明美に心配かけまいと言わなかったのかもしれないが、どう対処しようか明美は額に手を当てて考えた。
「私……そんなに悪そうに見えた?」
明美は視線を左右に動かした。
「それはもう、倉木先輩に付き添われて保健室に行ったほどですから」
哲は声のトーンを抑える。
余程悪かったことが伺える。
「雪乃ちゃんに聞いたのね?」
哲は「はい」と短く答えた。
雪乃は相手のことを思い行動するので、明美の体調が悪いことを哲にも伝えたのだろう。
「もう大丈夫だから、心配かけてごめんね」
明美は明るく言った。
「それなら安心しました。ところで週末は予定ありますか?」
明美は思考を巡らせ、週末は特に用事が無かったことを思い出した。
「何もないわ」
すると哲はスマホをポケットから出し、操作すると画面を明美に見せる。
「宜しければ映画を見に行きませんか、明美先輩が好きな恋愛物です」
恋愛と聞き気恥ずかしい思いにかられるが確かに好きだ。
最近は恋愛絡みの小説や漫画などにはまっている。
「ええ、行くわ」
明美は快く返事をした。
それから哲と時間や待ち合わせ場所などを話し合い、週末に哲と映画に行くことが決まった。
 休み時間終了を知らせるチャイムが鳴り、明美は残念な気分になった。
哲と過ごす時間が終わるからだ。
「僕はこれで失礼します。昼休みに会いましょう」
「うん……」
哲は挨拶をして、明美に背を向けて歩き出す。
哲にばれずに済んで内心ほっとしたのと同時に、週末が楽しみだと思った。
明美も教室に戻るため階段を上がろうとした矢先だった。
「明美先輩!」
哲に声をかけられ、明美が振り向くと、哲が見ていた。
何か話し忘れたことでもあるのだろうか。
「いつもの明美先輩の方が僕は好きです」
意味深な言葉を残して哲は今度こそ去っていった。